キューライス記

1985年生まれの男。漫画、イラスト、アニメーションなどを描きます。ご質問、ご依頼はこちらのアドレスにどうぞqraisqrais@gmail.com。       キューライス制作の短編アニメーション「鴨が好き」公開中https://www.youtube.com/watch?v=48-RA4BNXVc

ウサギと行くジブリ美術館(後)

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ジブリ美術館を訪れているウサギと私。

時刻は10時40分、私とウサギは早めにカフェ「麦わら帽子」に足を運んだ。

ここは混むので早めに昼食を済ませてしまおうという魂胆である。

すでに10人ほど列をなしている。11時のオープンのこのカフェではあたたかい家庭的料理が味わえるし、ジュースのストローは本物の麦わらだ。

 

そして、なにより今なら企画展示に沿ったメニューも味わえるとあっては午前中から足を運んでしまうのも頷ける話なのだ。

 

私は「ハウルの動く城」の朝食をモチーフにした「お城のベーコンエッグ(パン付き)」と「崖の上のポニョ」に登場した「あらしの夜のハムラーメン」の二品を注文した。

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朝からなにも食べてないし、昨日の晩御飯が冷蔵庫にあったスパムの肉片だった私にしてみれば楽勝で胃袋におさまるレベルだ。

そして、ウサギも同じものを注文していた。「ウサギなのにベーコン食べていいのか?」という疑問を反芻していると、目の前に料理が運ばれて来た。

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健康的な卵のボリューミーな黄身の輝き、焦げ目のついたベーコンの脂身…、優しい湯気をたてている可愛らしいしょうゆラーメン…。

私とウサギはカウンター席の端っこで貪るように食べた、ベーコンと卵をマルクルのように、ラーメンを宗介のように、付け合わせの野菜をカストルプのように!

 

うぉォン、俺は人間カオナシだ

 

もっと持ってこい!風呂にも入るぞ

 

嵐のような食欲に任せて汁一滴残さず完食してしまった。

 

そして、なぜかウサギの野郎だけデザートにこの店の名物「ふぞろいイチゴのショートケーキ」を注文しているということに驚愕を隠せなかった。

なんなんだこのピンクの毛皮くんは…。

悔しいので旗の先についたクリームをぺろりと舐めてやった。

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腹を満たした我々は先ほどスルーした「動き始めの部屋」に赴いた。

 

ここの入り口付近にある白い小窓は是非、開けてもらいたい。

 「もののけ姫」制作当時のスタジオジブリがミニチュアで再現されていて、ミニ宮崎駿がワシワシ原画チェックしている後ろ姿が伺える。

その隣には昨年亡くなられた色指定の保田道世さんもお仕事をしている。かなり見応えがあるこの精巧なミニチュア、しばらくじっと覗き込んでしまう。

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また、この部屋の一番の見物といえば巨大な立体ゾートロープ「トトロぴょんぴょん」だろう。

立体物のトトロやネコバスがわしわし動く勇姿は何度見ても感服する。「ええ!どうして!なんで?」と純真なリアクションをする人々を見るのも楽しい。

かのジョン・ラセターもこの美術館で一番好きなところはこのゾートロープだとインタビューで語っていたのも頷ける話。

 

二階にある常設展示室「映画の生まれる場所」には壁一面、所狭しとジブリ作品にまつわる設定資料が展示されている。

何気なく置いてあるアルバムをめくってみると80年代に撮られたと思われる背景用の資料写真が収まっていた。また、何気なく置いてある宝箱を開けるとなぞのオブジェがぎっしり詰まっていたりする。

 

ジブリ美術館は子供の目線で作られた美術館、ここを訪れたらぜひこどもごころに立ち返って戸棚を開けたり、ひっぱたり、のぞきこんだり、しゃがんだりすると十二分に楽しめることだろう、そういう仕掛けがいっぱい詰まっているのだから。

 

「面白いこと」が向こうからやってくるのを待つのではなく、自分で面白いものを発見するのがこのジブリ美術館の楽しみ方といっていいだろう。

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中央ホールに舞い戻り、映像展示室「土星座」に訪れた。

ジブリ美に来るとそこでしか観れない短編映画が観れるのだ。これは大きい。

 

この日上映されていたのは「コロの大さんぽ」。

子犬のコロが迷い犬になって東小金井を彷徨うシンプルなストーリーながら犬の生態描写が緻密かつ可愛い映画だ。また、この映画の背景描写がのちの「崖の上のポニョ」に繋がっていく。

 

迷子になってしまったコロのリードを置いて、家の前で佇む女の子を見ただけで軽くひねった蛇口並みの塩水が目から溢れる。

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ネコノヒーの皮を被ったサイコパスと影で言われているはずの私が…32歳にして父性が目覚めたというのか…?

 

涙をぬぐって外に出た我々はもう一度ゆったり企画展示の原画に目を光らせたり、最近リニューアルされた屋上のラピュタ石の前でムスカごっこをしたり、図書閲覧室「トライホークス」でポストカード買ったり、ミュージアムショップ「マンマユート」でラピュタパンをモチーフにした刺繍ピンバッチ(2000円)を購入したりしたのち、14時ごろにジブリ美を後にした。

 

このボリュームで入館料1000円は安い。チケットを取るのが大変だが、「食べるを作る。」展は一見の価値があるので是非行ってみてはいかがか。

 

番外編に続く。

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www.ghibli-museum.jp

 

 ジブリ作品で一番好き。北米版も意外に良い。

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 これを観てから行くとより一層楽しめる。かも?

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